サントドミンゴ教会 | 自転車で大陸を越えるブログ

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学生のとき自転車で日本縦断、オーストラリア横断。一旦は就職したものの、会社を辞めて北米縦断。次に目指すは中南米縦断。このブログを通じて自転車で海外を旅する楽しさが、なるべく多くの人々に伝わればイイなぁ…と思っています。


オアハカ州で一番すばらしい教会だ、と言われているサントドミンゴ教会(Iglesia de Santo Domingo)。1570年から1608年に修道院として建てられた。そのときには、プエブラなどの周辺都市から最も優れた職人が集められたという。


この辺りは地震が多い地域らしく、サントドミンゴ教会の壁は非常に厚く作られている。そのため、19世紀頃には、軍の駐屯地や倉庫として使われていた、らしい。



教会の中に入ってまず驚くのが、その内装。シンプルな外観とは裏腹に、金箔と彩色を施したスタッコ(stucco 漆喰飾り)で埋め尽くされている。スタッコの模様は有機的に絡まりあっていて、なんとなく、巨大な生物に飲み込まれたような気分になる。信者に与える精神的な効果は圧倒的だと思う。



これまた豪華な天井。宗教画と金箔がふんだんに使われている。その先に見えるバロック風のファサード(facade)の真ん中に立っているのがサント・ドミンゴ・デ・グズマン(Sant Domingo de Guzman)という、スペイン人のお坊さん。良いお坊さんだったらしく、コロニストの行き過ぎた行動から先住民を守っていたらしい。



メキシコの教会には必ずといっていいほどある、グアダルーペ画。重厚な柱に施された丹念な彫刻もすばらしい。



入り口のスッタコを別の角度から。複雑に絡まっているけど、実は一本の木を表している。



その一本の木はサントドミンゴの家計図(family tree)を表しているらしい。一人一人顔の違う人物が、果物のようにそれぞれの枝にぶら下がっている。


膨大な時間と費用と人間を費やしたに違いないこの教会の「意味」を問うことは、僕の精神世界とはまるで違う次元で行われた行為なので無意味だ、として「意味」を棚にあげておけば、ホントにすばらしい教会だと、僕は思う。中に入ったときは、マジで鳥肌立った。そのぐらいの執念が、壁から、天井から、にじみ出ている。


オアハカに行く機会があれば、ぜひどうぞ。